製造現場のトレーサビリティ管理/BHT(バーコードハンディターミナル)を活用した照合システム − タイでの実例【後編】
29/10/2024
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サムライアジア編集部

NIPPON STEEL PIPE (THAILAND) CO.,LTD.(以下、NSPT)が導入したシステム施策を引き続き、ご紹介する。

製造現場のトレーサビリティ管理 【前編】を読む


管理者の理想(手書きドキュメント廃止)を叶えた業務効率化

3. 汎用設備点検システム

製造現場には設備や製品以外に、安全を担う機材や製品品質を保証する測定機器等が存在する。これらは法定点検や交換等の定期的なメンテナンスが必要となる。NSPTにおいても同様で、工場内に設置されている法定点検が必要な装置は、数百点におよぶ。定期的な点検は設備作業担当者の手作業によって点検を行ない、設備毎にあるチェックシートに手書きで点検結果を記入している。

そこで、スマホやタブレットを利用しQRコードを読むだけで簡単に設備のメンテナンス状況を入力・共有・管理できるシステム構築を行なった。このシステムは、あらゆる設備及び機材の点検にも対応した、汎用的なシステムであるという点が特長である。

第1弾として、工場内の消火器の点検・有効期間・交換状況等を共有するシステムを構築し、稼働中である。品質測定機器等、定期点検・校正・メンテナンスが必要なものや、固定資産の管理等、定期的に管理しなければならないあらゆるものへ展開する予定だ。

課題
・消火器を見回り、点検シールや点検台帳を手書きで作成する等の時間が
 かかる
・点検漏れや期限切れ等の異常値検出漏れの発生

点検作業流れ

▲QRコード読み取りで情報入力画面がたちあがる

▲情報入力後、点検後の報告書が自動で作成される

特長
✔︎ 担当者・管理者が最新の情報にアクセスできる
✔︎ 画面タップで点検状況を手軽に入力
✔︎ ペーパーレス
✔︎ 点検の期限を管理者にメールで通知・アラート


「使うのが面倒」なシステムにしないために

業務のシステム化においては、管理者が正論や理屈だけでリードすると、現場にとって使いづらい仕組みが出来上がってしまうことがある。実際に使う人の目線に立ち、確実性と使い勝手のバランスを探ることが重要だ。




「システム開発元のTH-SOLチームは工場を頻繁に訪れ、内部のことを知り尽くしてくれています。私たちの要望をいかに汲み取り、現場の意見に耳を傾けてくれるかが、システムインテグレーターさんとのお付き合いでは重要です。工場のことを理解したうえで、日本人同士もスムーズにコミュニケーションを取れるおかげで、私たちの現場に最適なシステムが実現していると感じています」(NSTP高島EGO)




▲NIPPON STEEL PIPE(THAILAND)/システム開発推進チーム
 左から高島EGO、工程管理責任者Udorn DGO

▲Thai NS Solutions開発メンバー/システム開発元

タイ等の海外生産拠点のITシステム化に悩む事業者は、現地で信頼できるシステム開発元をみつけてほしい。

日系工場にとっては、Thai NS Solutionsのように顧客内の日・タイコミュニケーションギャップも含め、支援可能な日本人とタイ人の混合チームを編成するシステムインテグレーターが最適だろう。


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