タイの製造現場においても、モノの動きと製造の過程を管理する「トレーサビリティ」の導入が活発化してきている。今回は、業界内でもITシステムを活用したKAIZEN活動を先駆的に行っているパイオラックスグループのタイ法人であるパイオラックス(タイランド)(以下、パイオラックス)での製造実行管理・トレーサビリティシステム導入事例をご紹介する。
パイオラックスでは、ERPを導入し会計・販売・生産・在庫を管理していたが、現場でのモノの移動、生産実績、ロット管理は手書き台帳、エクセル等を使い運用していた。工場の規模は従業員380名近く。製品点数約2,000品目で1日あたりの製造量も多く、モノの移動が頻繫であった。顧客からの品質に対する要求に最大限応えるため、台帳管理には限界を感じていた。
そこで、原材料の入荷から製造工程、最終製品の出荷まで、全てのモノの動き(移動)を見える化する製造実行管理(MES)・トレーサビリティシステムの導入に踏み切った。
2019年に基本システムを導入以降、人的ミス防止機能など、現場スタッフの意見を取り入れながらシステム改善および機能追加を図っている。
「本システム導入は、省人化や省資源化(紙の削減)などの目的の他に、ERPシステムとトレーサビリティを連携させる中長期的な計画も見据えて進めてきました。Thai NS Solutions(以下、Thai NS)さんとはシステム開発に加え、稼働後の保守契約も結んでおり、当社システムの管理を総合的に任せています。現場業務を理解してもらった上で、点ではなく、それぞれのシステムを連携させるような俯瞰的な目線でのシステム構築に貢献いただいています」(パイオラックス 小平氏)
パイオラックスがThai NSをパートナーとして選んだのには、以下のような理由がある。
「Thai NSのタイ人スタッフは、他社と比べてもシステムに関する知識量が豊富でレスポンスも早いです。私たちの業務を理解してもらっているので、こちらの意図も汲んでもらいやすく、スケジュール管理も徹底しているのでやりとりはとてもスムーズです」(パイオラックス ジラワット氏)
「当社グループは比較的、業界内でもシステム関連のリテラシーが高く、タイであっても求めるレベルは高度です。そういった点で、はじまった初期はお互い苦労も多かったですが、トライアンドエラーを繰り返してきたことで今の信頼関係が築けています。Thai NS側の当社業務の理解が深い分、情報共有も手間なく行えているので助かっています」(パイオラックス 小平氏)
高品質なシステム構築には、十分な顧客理解が必要不可欠。それらの知識がシステム導入後の品質保持や、より良い改善へのアイデアにもつながっているという。
パイオラックスからの強い信頼とこれらの実績は、Thai NS Solutionsのサービス品質の高さの証明と言えるだろう。
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浅井 Asai
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