日本でのテスト販売を経て、2022年後半よりマシニングセンタ用高圧洗浄ツール『Boost Master(ブーストマスター)』の東南アジアでの販売を開始しました。今回は、同製品の機能や特長についてご紹介致します。
マシニングセンタ1台で加工から洗浄までを集約
機械加工の現場では、マシニングセンタが幅広く使用されています。切削加工中に発生した切り屑の除去は、加工後の手作業(エアーブロー)、又は高圧洗浄機を使用する方法が一般的です。
しかし、手作業による切粉除去は手間がかかると共に切粉残りの原因にもなります。加工現場では切り屑を取り除かなければ次の工程で不良を生み、品質トラブルを起こす可能性があるからです。
できるだけ作業者の負担を減らし、ヒューマンエラーを妨ぎ、コスト削減につながる切り屑の効率的な除去方法を実現できないか。この難題に挑み、自動車用ブレーキシステムを手掛けるアドヴィックスと共同開発したのが『Boost Master』です。洗浄液噴射機構部の中にアドヴィックスの高性能のギアポンプを搭載することで、機械側クーラントをBoost Master内部で増圧させマシニングセンタ内で切粉除去まで可能になりました。マシニングセンタ1台で加工から洗浄までを集約しています。
洗浄工程の使用電力を大幅に低減する
機械加工や切削加工を行う同じマシニングセンタの中で、切粉の除去まで行う発想はこれまでに例がありません。画期的な製品である『Boost Master』の機能をご紹介しましょう。
【『Boost Master』特長】
・機械のクーラントを噴射機構部にあるギヤポンプで増圧し、最大15MPa(連続)で噴射して切粉を除去
・φ7深さ100㎜穴底の切り屑も0.5秒で除去可能
・高圧洗浄機レス化、遊休設備の活用をすることで工程集約や作業改善を実現
・機外高圧ポンプが不要になり洗浄工程の使用電力を大幅に削減
・従来型の高圧洗浄機を使った場合と比べてCO2排出量は約55%低減
東南アジア市場での販売台数目標1000台
『Boost Master』は2022年後半から東南アジアでの販売を開始しています。東南アジア市場での取り組みはまだ始まったばかりですが、まずは日本で導入いただいている自動車部品の加工メーカーの現地法人にアプローチしています。
現在は、興味をもっていただいたお客様へテスト使用の提案を行い、実際に製品をご使用いただいて効果を実感していただく活動をしています。『Boost Master』の優れた機能は、実際にご使用いただければ確実に実感できるため、まずは使用の機会を広く提供していく方針です。
当社にとって『Boost Master』は2023年の重点拡販商品の一つです。東南アジア市場での販売台数1000台を目標に、最終的には日系の企業のみならず、ローカルの企業にも導入を働きかけていきます。
さらにマシニングセンタ用だけでなく、複合旋盤用のBoost Masterの開発にも取り組んでいます。効率的な生産ラインとカーボンニュートラルの実現に貢献する『Boost Master』にぜひご期待ください。