「機電一体」の理念のもと、タイ・ASEAN地域で高性能な工作機械を提供するオークマ テクノ(タイランド)。
2020年2月29日に、設立20周年を迎えた。
同社がASEAN地域において主力製品として掲げるのが、「GENOS(ジェノス)」シリーズだ。 その累計販売台数は、タイで約900台、全世界で約18,000台にのぼる。(2019年末時点)
本稿では、「GENOS(ジェノス)」シリーズがASEAN地域で支持されている理由にフォーカスを当てる。
「GENOS」とはギリシャ語で「遺伝子」を意味し、「オークマの遺伝子を受け継ぐ頼もしい世界標準機」という意味が込められている。
GENOSシリーズは、ベストセラーマシンである「MB-V」シリーズ(マシニングセンタ)や「LB」シリーズ(横形旋盤)の設計ノウハウを活かし、開発されたオークマの遺伝子が息づくシリーズだ。
同社最大の特長である高い加工面品位、精度安定性は継承しながら、高い品質の製品を提供するため、シンプルな仕様に限定することでリーズナブルな価格かつ容易な生産を可能とした。
高剛性・高品位・精度安定性
・3D‐CAD設計、FEM解析を駆使した高剛性本体構造
・オーバーハングの少ない本体構造
・サーモフレンドリーコンセプトを適用
⇒環境室温8℃変化時の加工寸法変化8㎛以内(GENOS Mシリーズ実績値)
オプション使用を限定し、価格を抑制
・対応するオプション仕様を限定して、コストダウンを実現。
量産ラインにも対応しうる豊富な機械仕様
・チャックワークから複雑な棒状ワークまで対応が可能
・ミーリング機能を付加することによる工程集約
・1マシン1ローダから対応するローダ、ストッカとの連結による量産対応
使いやすさを追求した機械設計
・お客様目線による作業性を考慮したユーザーフレンドリー設計
・高い稼働効率を追求した優れた切粉処理性能
なぜオークマのGENOSシリーズがタイ・ASEAN地域で導入され続けているのか?
その答えは、品質と価格とのバランスの良さにある。
同シリーズのリーズナブルな価格にはオプション仕様の限定以外にもうひとつ理由がある。
それは、日本で設計して台湾で生産している点だ。一般的に、日本で設計から製造までを行なうマシンは、どうしてもオーバースペックになりやすく、その分価格は高くなる。一方で台湾や中国で設計・製造するマシンは、日本製と比べてモーターや制御装置の部分に差が出てしまう。台湾製も近年品質が上がっているが、長年使用するほど品質の「持ち」に差が出てくるのが実情だ。
オークマは、マシンの核となる設計は日本で行ない、製造は台湾工場で行なっている。そうすることで、高品質とリーズナブルな価格を両立させたのだ。
同工場はGENOSシリーズをはじめ、オークマのグローバル向けマシンを生産する。
生産能力の拡大と高効率化を目指し、2018年8月に新工場が稼働。新工場の総床面積は旧工場比1.8倍の14,300m²。
加工設備の増強と自動化推進によって、部品加工能力は5倍に増強し、部品加工の内製化を拡大した。
これにより、生産能力は従来の1.5倍(月産200台→300台)へと拡大した。
オークマは、ASEAN各国の拠点で技術サポートとアフターサービスを行なっている。
製品を導入した顧客が安心できるよう、日本・台湾・そして各国拠点が連携し、グループ一体となってお客様目線に徹した製品・サービスの提供を目指す。
■オークマのGENOSシリーズ(CNC旋盤・マシニングセンタ)に関心をお持ちの方は、下記フォームよりお問い合わせください。