自動車部品やその金型を手掛けるパノムプライ社は、タイ自動車産業の発展を支え続ける技能集団です。
同社が次代を見据えた戦略マシンとして導入したのは、先進の知能化技術を搭載した5軸制御立形マシニングセンタやインテリジェント複合加工機でした。
バンコク東部のチョンブリ県ノンホンで、大手自動車メーカー向けの重要部品やその金型加工を営むパノムプライ社の工場には、最新鋭のオークマ機が揃い、訪れた人々は目を見張ります。
5軸制御立形マシニングセンタ「MU-6300V」、インテリジェント複合加工機「MULTUS B400II」、1サドルCNC旋盤「LB3000EX」。
いずれの機械も数々のオプション機能を搭載し、同社の技術に対するこだわりを象徴しています。
また、それは創業者のWanichi Kiriya社長が長年の夢を具現化した空間でもあります。
「私は1990年代初めに、技術研修のため日本の大きな工場に半年間、配属されました。タイの技術者としてオークマ機は憧れの存在でしたが、間近で見たのは、その時が初めてです。以来、自社工場にオークマ機を導入して使いこなすことが私の目標となりました」。
こう語る社長は研修先でCNC機の操作やメンテナンスなどの技能を習得し、1996年にパノムプライ社を設立。
政府が推進する自動車産業の育成という好機を捉え、タイが“アジアのデトロイト”と称されるほどの急成長を遂げる中で、ISO9001を認証取得するなど同社を“優れた技能集団”に育て上げたのです。
Wanich社長は、5軸加工機や複合加工機の機種選定にあたり、憧れのブランドとはいえ無条件にオークマを選んだわけではありません。
大きな設備投資であることに加え、国の先進設備導入支援の低金利ローン(SME)を利用するためには厳しい審査に合格せねばなりません。
そのため各ディーラーから情報を収集し、インターネットも活用して複数の工作機器メーカーの機種を比較検討し、訪日の機会を利用してオークマの本社工場で、機械の構造や実際の稼働状況を確認。
そしてオークマ機の信頼性を確信したのです。
社長の判断が正しかったことは導入直後に実証されました。
自らの知識と経験から惚れ込んだ機械の構造は、高精度加工に不可欠の高剛性を発揮し、機械の熱変位も合理的に制御して(サーモフレンドリーコンセプト)、厳格な輪郭形状や寸法公差をクリアしたのです。
そして、オプションとして搭載した数々の知能化技術は、現場のスタッフも驚くほどの成果をもたらし、無くてはならないものとなりました。
例えば5軸加工機で加工前に幾何誤差の補正に時間と手間のかかる作業をわずか10分で自動調整する「ファイブチューニング」、金型に代表される曲面加工で加速度を最適制御して高速・高品位の加工面を実現する高速輪郭加工機能「Super-NURBS」、びびり振動をセンサーが測定し最適な主軸回転速度へ自動変更して高品位加工を維持する「加工ナビM-i」など、熟練工でも難しい加工を容易に実現。
その結果、3軸加工機が中心の頃に比べて大幅な工程集約や省力化を達成しました。
2017年のオークマ機の導入は、政府の長期経済ビジョン「タイランド4.0」で示された重点産業(次世代自動車、スマート・エレクトロニクス、ロボット、航空・ロジスティックスなど)に照準を合わせたものですが、Wanichi社長はさらにその先を見つめています。
「将来、自動車はEVシフトによって部品数が激減し、工場もスマートファクトリー化していくことでしょう。こうした時代の変化に適応するにはノウハウの蓄積と人材育成が重要です。今回のオークマ機の導入は、それに対応するための助走と考えています。」
この考えのもとで、パノムプライ社で工作機械を扱う従業員の大半は自らプログラムを作成し、CAD/CAMによる設計技術も習得しています。
規模を追求するのではなく、高度な技能集団として「QCD(品質・コスト・納期)+良質なサービス」のさらなるレベルアップを目指すパノムプライ社の視界は、まさに工場の上に広がる青空のようにクリアです。
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