製造業に携わっている方なら一度は耳にしたことのあるマシニングセンタ。
今回は、マシニングセンタの驚きの機能を理解することでマシニングセンタがどういったものかを理解できる内容となっています。
どなたでも分かる内容になってますのでお気軽にお読みください。
INDEX
①マシニングセンタとは?
マシニングセンタのここがすごい
②自動工具交換!
③切削・穴あけから研磨まで1台で!
④最大5軸の加工で限りなく自由な形状に!
③おわりに
マシニングセンタとは?
マシニングセンタ (machining center)は、目的に合わせて削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの加工を自動工具交換機能によって1台で行うことができる工作機械をいいます。
もっと簡単に言えば、金属を削ったり穴を開ける作業を自動で工具を換えながらノンストップでおこなえる機械のことです。
例えば、金属の塊を削ってフォルムを形成し、指定したサイズに高精度で穴をあけ、指定した深さでネジ穴をつくり研磨を施すといった作業を1台で行うことができます。
まずはコチラの動画をどうぞ。イメージがつかめると思います。
マシニングセンタのここがすごい①
自動工具交換!
マシニングセンタ独自の特徴として自動工具交換機能があります。これは加工時に工具を自動で交換するというもので交換するさまがカッコよくマシン好きにはたまらない機能です。もちろん見た目だけでなく、自動化することで製造時の無人化と省力化、コスト削減を可能にしています。
[ブラザー] M140X2 加工事例 アルミニウム
brother製品は山善様でもご紹介頂いております。
https://www.smri.asia/jp/yamazen/products/
マシニングセンタのここがすごい②
切削・穴あけから研削まで1台で!
ここでは主な加工方法である切削・穴あけ・研削を使用される工具と共にご紹介します。
切削加工(フライス加工・旋削加工)
切削工具が高速に回転して切削を行い、表面を削る・溝を掘る・形状を作り上げるといったマシニングセンタのメインとなる加工です。工具の先端で切削するもの、側面をあてて切削するものがあります。
主に使用される工具
・カッター
主に上面を削るときに使用します。
・エンドミル
底面と側面の両方が刃になっており穴あけ、側面切削、形状加工と、様々な加工に使用されます。
・サイドカッター
側面の溝加工に使います。
穴あけ加工
穴をあける他、既に空いている穴を広げることで精度の高い穴をあける「中ぐり」ネジ穴をつくる「ねじ立て」などの加工があります。
主に使用される工具
・ドリル
穴あけの代表的な工具。
ろう付けドリルといわれる先端に超硬合金をつけたものもあります。
・リーマ
穴仕上げ用工具。
ドリルなどで空けられた穴を所定の寸法や精度に仕上げる仕上げ用工具です。
・タップ
ネジ穴用工具
止まり穴用のスパイラルタップ、貫通穴用のポイントタップなどがあります。
研削加工
研削加工は非常に硬く微細な砥粒でできた研削砥石を使用して、加工物を削り表面を研削していく加工法です。また研削工具では、切削工具で削れない硬質または脆性材料でも容易に削ることができるという特徴もあります。
主に使用される工具
・砥石
研削する素材や形、加工方法によって様々な砥石があり最適なものを選択できます。その他、MITSUI GRINDING TECHNOLOGY(THAILAND) 様でも多数の研削砥石をご紹介しています!
https://www.smri.asia/jp/mituigt/products/
マシニングセンタのここがすごい③
最大5軸の加工で限りなく自由な形状に!
工具を自動で交換できるのであれば、後はどの角度や軸で使用するかで制作できる形状が決まってきます。
一般的に3次元空間はX軸・Y軸・Z軸の3軸によって定義され、この3軸を動かすことによって工具の位置決めをし加工を行っています。
エンシュウ EV450T
こちらの動画ではXYZがわかりやすく紹介されています。
EV450Tはサムライでもご紹介しています!
https://www.smri.asia/jp/enshu/products/313/
この3軸にさらに回転軸・傾斜軸の2軸を足して5軸で加工するものを5軸制御マシニングセンタと呼びます。
5軸によるメリットは?
・ より柔軟な加工が可能
・ 一回の段取りで多くの部分が加工でき手間と時間の削減に
・ 特殊な工具を用いることなく加工ができる
・ 突き出し量の少ない工具で加工できるため精度が高まる
などがあり近年では急速に普及が進んでいます。
5軸マシニングセンタ動画
DMG MORI Japan 5軸加工機 DMU 50で加工する ブレード加工
おわりに
近年はスマホ市場や自動車需要に支えられ、好調な伸びを見せている工作機械業界。今後も、航空機の更新需要も高まりをみせておりニーズは増え続けると予測されています。
日本では熟練工の高齢化や、人材が不足するなか高精度、短納期などの要求に対応していくための手段としてマシニングセンタ、工作機械の導入は、さらに進んでいくと考えられます。
次回は、FA(ファクトリーオートメーション)を解説します!