人気インフルエンサーが”タイの今”を解説!
こんにちは、Reikoです。この原稿を書いているのは日本のお盆の時期です。お盆は帰省やお墓参りなど、タイのソンクラーン祭りに似ていますね。日本の夏の風物詩のひとつに怪談や肝試しがあります。タイ人も日本人のように怖い話が好きです。タイは年中夏なので、いつでも肝試しができますね(笑)。
今回のテーマは「タイと日本のお化け・精霊」です。もともと私はホラー映画やお化けは苦手なのですが、自分の経験から感じたことを書きます。
タイの怪談は、タイの地方や農村を舞台にした話が多いです。そして、お化けと精霊、神様が別物ではなく密接に関わっていると思います。例えば、山に住む女の姿をした妖怪「ヤマンバ」、男女の悲恋から生まれた女性の幽霊「メーナークプラカノーン」、特定の土地を守るための「鎮守神」、人形に宿る「精霊」などです。
人形に宿る精霊で有名なものは「クマントーン」です。「黄金の男児」という意味で、本来は幼児の遺体をミイラにして金粉を塗り精霊を宿すというもの。災いから身を守ったり、運気を向上させる効果があると言われています。日本で言うと座敷童子(ざしきわらし)のような存在です。近年でも墓が盗掘されたり、病院から水子が持ち去られたりする事件があると、クマントーンを作るためではないかと噂されます。
また、日本にもあるアニミズム(精霊信仰)はタイでも根強く信じられています。バンコクにある大樹には精霊が宿っていると考えられ、カラフルな布が巻き付けられて信仰の対象になっています。
多くのタイ人が精霊を信じるのは、仏像やヒンディーの神様に祈りを捧げるのと同じように、祈願が目的です。タイ人は、願いが叶うのなら、なんにでもお祈りするとも言えます(汗)。例えば、5本足の子豚や、頭が3つある蛇などの奇形の生き物にお供え物をしている人たちのことがニュースになることもあります。もちろんタイ人全員が精霊を信じている訳ではありませんが。
日本にはお化けの種類がたくさんありますが、私の見解では、亡くなった人がその場所に幽霊として留まっているだけで、邪魔などをされない限り人に危害を加えない霊が多い気がします。日本は幽霊もマナーが良いですね。
日本には神社がたくさんありますが、中には亡くなった偉人を神様のように祀っている神社もあります。この感覚はタイ人に近いかもしれません。
少し視点を変えて、タイと日本の映画やドラマでのお化けの表現を比較してみます。
少し前までは、タイのお化けはビックリさせるか、少しコメディータッチのものが多い傾向でした。逆に日本は静寂と緊張感で視聴者に恐怖を与えるものが多かったと思います。でも、現在は欧米のホラー映画などの影響もあり、両国とも表現が多様化しているようです。
タイも価値観の多様化が進んでいます。「お化けや精霊なんていないよ、ただの子供だましだ」と言う人も増えています。私は霊感がないので、お化けや精霊の存在を感じることはできませんが、冒涜をせず、ニュートラルな考えでいたいと思っています。
お化けが苦手なのは本当です…。
▲色々な種類のクマントーンがある(Photo:Wikipedia「Kuman Thong」)
佐藤 Sato
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