バンコク・スワンナプーム国際空港から走る車は、自動車専用道路を4キロほど北上すると、モーターウェイ(高速道路)に突き当たる。ジャンクションは複雑な形状をしており、バンコク市街地のインバウンド方面へは左車線から側道に入らなければならない。ハンドルを左に切りカーブへ。こうして車はモーターウェイ本線へと合流する。
広い湿地帯を切り開いて開港した空港周辺は、人家が少なく、高いビルなども存在しない。目に飛び込んでくるのは、どこまでも青い空と航空会社やスマートフォンメーカーなどの巨大な看板ばかり。その中で、ひときわ鮮やかに印象的にそびえるのが、濃い橙色地のバックに白色の文字でシンプルに仕上げた「Mitutoyo」の屋外看板だ。カーブを曲がりきり、本線に入ってから200メートルほど先の右側。高さ12メートル、幅30メートルは数字以上に大きく見えた。
ミツトヨ(タイランド)が屋外看板を設置したのは今年10月のことだ。タイ法人設立満20周年(昨年)、アセアン統括のシンガポール法人設立満40周年(今年)をそれぞれ記念しての広報事業。東南アジアでは初めての試みだった。
タイ法人でこの事業を担当するのが、セールスマネジャーの松生高志氏だ。「バンコクに向かう車であれば、誰もが必ず通過し、必ず目にする場所。ベストポジションだ」と満足の様子。「当社がタイにあることをまだ知らない人もいる。ブランドイメージの向上と知名度アップには、この上ない広告だ」と視覚媒体の効果を強調した。
松生氏にはもう一つの期待がある。「将来、仲間となるかもしれない次世代の人材にもメッセージを送りたい。今、一緒に働いている従業員やその家族ら全てのステークホルダーにも。お、ミツトヨ、頑張っているな。そう思ってくれたら、この上ない喜びだ」
佐藤 Sato
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