タイのモノづくりを支える工業用ブラシメーカー
自動車・電気・食品加工まであらゆる業種をサポート
28/10/2024
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サムライアジア編集部

金属部品のバリ取りから研磨・洗浄・清掃まで、工業生産のあらゆる工程に使用される工業用ブラシ。用途は部品製造にとどまらず、食品機械や、木工機械、電子基板の洗浄・研磨、道路清掃車、さらには防衛整備品にまで多岐にわたる。こうした産業・分野に欠かせないツールの生産、販売を半世紀以上にわたって担ってきたのが横浜市に本社を置く「ステイト工業株式会社」だ。現社長の中根利治氏は、実父から実質的に事業を引き継ぐとグローバル展開を開始。2010年にタイに進出した。以来10年余り。存在感を増しながら、現地のモノづくりに貢献している。


伸び代の厚いタイ市場の需要に対応できるカスタムオーダーの工業用ブラシ

自動車産業などが集積し、成長を続けるタイの市場。中根社長はその伸び代の厚さを強く感じている。もともとは東南アジアの主要な農業国、そして輸出国。自動車産業だけではない多彩な産業がこの地で新たな生産活動を生み続けている。

よって注文の大半は、各顧客の業種、工場、使用する機械に合った特注品ばかり。汎用品だけではとても対応しきれないのが実情だ。バリを取りたい、ススを払いたい、内部を洗浄したい。さまざまな顧客の需要に対応する迅速で的確な対応が高い評価につながっている。


工業用ブラシ タイ

▲ステイト工業製の多種多様な工業用ブラシ

新たなコンセプトの工業用ブラシにも挑戦

グローバル展開のきっかけは、取引先企業の海外進出に伴って。日本から製品を輸出するより、はるかにコストが低減できることも決め手となった。マレーシア・ベトナムなども検討遡上に上ったが、産業の多彩なタイに最終的な白羽の矢が立った。

ライバルはそう多くはない。日系はわずかにあるほど。主にローカル企業との競争だ。これだけの幅広いニーズに一つ一つ応えていては、とても手が回らないという判断もあるだろう。だが、そこに勝機があると中根社長は信じている。

故に、今後も独自性を出した新たなコンセプトのブラシをタイ市場で提供し続ける考えだ。10年という節目を超え、タイ人スタッフも育ってきた。日本側のバックアップがなくても、ある程度のところまでは自社での対応が可能となった。スタッフに向ける中根社長の視線もいつになく柔和だ。


JIMTOF、METALEXなど展示会にも積極的に出展

これまで展示会などへの出展にはあまり関心を持たなかった。だが、タイ事業がここまで成長し、今後の飛躍を考えた時、企業イメージの向上は必須と考えている。2022年11月に開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)や、タイ・メタレックス(METALEX 2022)などにも積極的に出展を行っている。


ステイト工業 タイ

▲タイ法人スタッフ一同

ステイト工業 タイ

中根 利治 Toshiharu Nakane
President

1995年 ステイト工業株式会社へ入社後、約10年間静岡工場に勤務
2010年 ステイト工業(タイランド)設立
2020年 ステイト工業株式会社 代表取締役就任。日本およびタイの代表を兼任


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