ソディック(Sodick (Thailand) Co., Ltd.)は、放電加工機(EDM・EDW)のリーディングカンパニーであり、近年は金属3Dプリンタや射出成形機にも注力している。
同社は2020年3月5日、キングモンクット工科大学で開催されたセミナーにプレゼンターとして参加。タイにおけるプラスチック射出成形の技術向上に貢献する独自技術を披露した。
▲左より、パチャラ・プロムチャン氏(セールス)、渡邊 順一氏(ダイレクター)、スガンヤ・シンガート氏(セールス)
産学連携のエンジニア向けセミナー「プラスチック射出成形4.0」
~タイにおける品質向上と効率化を目指して~
昨今のプラスチック射出成形は金型の設計から射出工程まで高い品質を確保しながら、コストを抑えることが求められる。今回の産学連携セミナーは、射出成形技術への理解を深め、最新技術を取り入れて品質向上・工程効率化を促進することを目的として開催された。
▲右からソディック(タイランド)のパチャラ氏、森 直樹氏(バイスプレジデント)
<セミナー概要>
■テーマ:「プラスチック射出成形4.0 ~成形金型の設計レベルを向上し、製造工程の革新へ~」
■日時:2020年3月5日(木)
■場所:キングモンクット工科大学ノースバンコク校
■主催:ACMT/Minnotec/NSTDA/ITAP/KMUTNB
■参加企業:Sodick (Thailand) Co., Ltd. /PLEXPERT (Thailand) Co., Ltd. /MASTIP (THAILAND) CO.,LTD.
*ACMT:CAE成形技術協会/台湾
*Minnotec:Molding innovation technology Co., Ltd/台湾
*NSTDA:タイ国立科学技術開発庁(National Science and Technology Development Agency)
*ITAP:技術革新支援プログラム(Innovation and Technology Assistance Program)
*KMUTNB:キングモンクット工科大学ノースバンコク校(King Mongkut's University of Technology North Bangkok)
セミナーでは、ソディックから営業のパチャラ氏が「射出成形機のV-LINE技術」と「3Dプリンティング技術の成形金型への応用」という2テーマを紹介した。
テーマ① 射出成形機のソディック独自技術
V-LINEで実現する難形状のプラスチック成形
射出成形機は一般的に、プラスチックの可塑・計量・射出を同軸で行なうインライン方式が主流だ。
一方、ソディックの射出成形機には、二つのシリンダで可塑化と射出を分けるV-LINE方式が採用されている。プラスチックを可塑化し計量するシリンダ、金型へプラスチックを射出するシリンダを分けることで、インライン方式では難しい各ショットの圧力・充填量の制御を可能にした。
スマートフォンの導光板や自動車のポンプ部品など難易度が高い成形品作りに最適だ。
「高度な成形が求められるタイにおいて、この技術は皆様のお役に立てるはず」とパチャラ氏は語る。
複雑形状もスピーディに冷却!ソディックの3Dプリンティング技術
従来の金属造形では製品寸法管理が難しく、樹脂金型分野に於いては主に試作型用として使われてきた。
「ソディックは金属の造形において、製品の精度と最良面を実現させ、実用可能な型製品を作れるようにしました」とパチャラ氏。
3Dプリンティング技術には、2種類の方式がある。
金属粉末を盛り上げて溶接するLMD方式(Laser Metal Deposition)と、レーザー光を照射して金属粉末を溶接するDMLS方式(Direct Metal Laser Sintering)。ソディックの金属造形機はDMLSを採用、且つ切削機能を有している。その造形品の金属特性は従来工法の金属製品と同等だ。
プラスチック射出成形では、金型内の温度コントロールが重要であり、同社の製品の強みは、3次元冷却配管を自由に配置し、複雑な形状でも効率的に冷却出来る製品が製作可能になる事だ。
また、新たに紹介されたSRT工法(Stress Relief Technology)は、従来、歪み・割れ等発生し造形が難しいとされたステンレス材等も問題無く造形出来る独自開発の新工法だ。
ACMTなどと連携し、タイの製造業の進展への貢献目指す
パチャラ氏は、今回のセミナー参加の経緯について次のように語ってくれた。
「主催者のひとつであるACMTが、ソディックの技術はタイの製造業界において有効性が高いと評価し、セミナーの機会を与えてくれた。当社技術がユーザーの皆様の要望に最大限応えられるよう、今後も開発を続けていきます」
ソディックは独自技術の開発に加え、ACMTや大学など公的団体との連携を強め、タイのモノづくりの革新に貢献していく。
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