2023年より発売されたソディックの最新マシニングセンタ「UX450L」。2024年よりタイでも本格的に販売を開始しました。
今回は、リニアモータ駆動マシニングセンタ「UH430L」の後継機種である「UX450L」の特長についてご紹介します。
「UX450L」は自社開発のNC装置とリニアモータを搭載し、主軸ヘッドを8.3%軽量化して軸応答特性を大幅に向上しています。 また、ATC機構の改良で工具交換時間を従来機の半分に短縮し、高速・高精度加工を実現しました。省エネ対応としてアイドリングストップ機能も搭載し、一定時間停止中に自動で電源を遮断して消費電力を削減します。
【UX450Lの主な特長】
■ 高剛性門型構造
新たに搭載された直動ガイドは、超高剛性で静圧案内に匹敵する低ウェービング特性と減衰特性を持ち、転動体の出入りによる振動を最小限に抑制します。これにより、微細精密加工領域での加工面質の向上に貢献します。
■ 新型主軸&新熱変位補正機能
高精度加工のため、主軸回転時の発熱による工具先端の変位と機械本体の姿勢変形を抑えるために主軸を冷却液で冷却し、熱変位を補正します。さらに、主軸オリエンテーション機能により工具脱着時の位相変化を防いで刃先振れ精度を向上させました。従来15~30分かかっていたウォームアップ時間を20秒に短縮する革新的な新技術が搭載され、生産性が大幅に向上しました。
■ マシニングレコーダ機能
自動車のドライブレコーダのように、加工中やエラー発生時の動画・画像を記録します。これらはCNC画面上で表示でき、加工不具合やエラー発生時の原因調査に役立ちます。記録データは外部接続のUSBメモリにも保存可能です。
・エラー発生時はおよそ160回分の保存
・加工中はおよそ5時間の保存
■ 簡易プログラム作成機能
単純な穴あけ・平面加工・ワーク芯出し動作などの加工プログラムは、CNC画面上のパラメータに必要なデータを入力するだけで即座に実行可能です。
「UX450L」は、ソディック独自のリニアモータを搭載しており、ボールねじ駆動と比べて精密加工に大きな優位性を持っています。
【リニアモータとボールねじの特徴比較】
メリット | ・直接冷却(特許) ・優れた加速度特性 ・高い真円度 ・高耐久性 ・ロストモーションの低減 ・バックラッシレス | ・高トルクで加工できる ・低価格 |
デメリット | ・高価格 | ・冷却必要 ・加速度が上げられない ・バックラッシのリスク ・消耗するので交換が必要 |
ソディック製リニアモータでは、ロストモーションやバックラッシュが生じないため、より高精度な加工が可能となります。
近年、スマートフォンやタブレットの進化に伴い、部品の高機能化と高精度な加工が求められています。これに応じて、手作業から機械加工への移行が進み、ダイヤモンド工具での高硬度材料加工や光学レンズの鏡面仕上げに対応する高精度マシニングセンタが開発されています。
ソディックの「UX450L」は、製造業の未来を切り拓く革新的なマシニングセンタです。その優れた性能を、ぜひ実際にご確認ください。