ソディック(タイランド)は、2024年10月11日に同社工場にて射出成形機セミナーを開催した。セミナーのプレゼンには主催のソディックタイランドの他に、射出成形機の周辺機器を取り扱うマツイアジアも参加。計17社、約50名もの参加者が集まり、ソディックの射出成形機における最先端技術や新ソフトウェア「成形ナビ」などが紹介された。
ソディックの射出成形機は、特に竪型成形機の人気が高いという。自動車向けの高精度且つ小型な部品や、電子タバコの製造などでの採用実績がある。近年は軽量化の影響で、アルミから樹脂への移行が進んでおり、これに対応した高精度成形機の提供が強みだ。
独自のVライン形式を採用しており、従来のインラインと比較してスクリューとプランジャーを分けていることで樹脂の温度安定性を確保している。これにより、安定した溶融状態が実現され、高精度の部品製造が可能だ。
【V-LINE® (V-ライン®)方式の特長】
・安定した可塑化状態
・樹脂密度の安定
・充填量の安定
・ガスが発生しにくい
「成形ナビ」は、射出成形機を使い慣れていないユーザーにも使いやすいシンプル操作が特徴だ。従来は職人の経験やノウハウが求められた成形条件の設定が、このソフトウェアにより簡略化され、加工条件を自動的に最適化。不具合が生じた場合も、ソフトウェアが原因を分析し、解決策を提示する。
【成形ナビ:成形条件作成サポート機能の特長】
■初期条件作成サポート(Class 0)
・成形立ち上げ時の各条件設定のサポート機能
・半自動モードで成形前に必要な「初期条件」を作成
・画面のガイダンス表示に従って金型や使用する成形材料、製品寸法に関する情報をを入力
・1ショット目の成形条件を約80%充填のショートショットとして生成
・成形前の材料替え(色替)操作の最適方法をサポート
※入力値はオペレータの責任で実行する必要有り
■条件補正ガイダンス(Class 1)
・ショートモールドから満充填まで段階的に充填量を調整し、製品の外観不良に応じた条件補正をを行う
成形ナビの活用により、初心者でも安心して成形条件設定と補正を行うことができる。人手不足が深刻なモノづくり業界における生産性向上や効率化に貢献するソリューションだ。
今後、AIなどを取り入れたアップデートも計画され、対応言語も日本後・英語と幅広い現場に対応。量産かつ多品種を扱う加工現場に特に適したソリューションとして、さらなる進化が見込まれる。