スギノマシン(タイランド)では、高圧水技術・空気圧技術・管機器技術分野などの開発に注力し、材料の切断やバリ取りを効率的に行う自動化機器を提供しています。
今回は、フローティング加工によってバリ取りに伴う様々な課題を解決する傾動スピンドルモータユニット 「BARRIQUAN(バリカン)BRQ-EL01(以下BRQ-EL01)」の特長をご紹介します。
「BRQ-EL01」は、ロボットを活用した自動バリ取りソリューションで、鋳物部品の加工現場に最適です。特にアルミや鉄鋳物のパーティングライン(あわせ面)のバリ除去に適しており、現場の自動化・省人化や効率化を進めます。
タイにおいて多くの鋳物加工現場では、未だ手作業によるバリ取りが一般的ですが、作業者の技術に依存し、品質にばらつきが生じるリスクがあります。「BRQ-EL01」を導入することで、均一なバリ取りが実現でき、作業者の交代による品質の不安定さを解消します。
傾動フローティング加工について、以下動画で詳しく解説しております。
【BARRIQUAN(バリカン)BRQ-EL01の特長】
■ 傾動フローティング機構によって高速かつ安定したバリ取り加工が可能
刃物が一定の荷重で加工対象の形状に沿って動く360°傾動フローティング機構は、軸中心へ強い求心力があるため鋳造部品にありがちな曲線の多い複雑形状であっても刃物が離れず形状に追従し、高速なバリ取りを実現します。さらに、形状寸法のバラつきに対しても傾動フローティング機構により形状に沿って加工するのでプログラム補正不要であり、削り過ぎや削り残しのない安定した品質を保つことが可能です。
■ エアフローティング式でカンタンに最適な刃物押し付け力に
供給エア圧によって刃物の押付け力を簡単に変更できます。エア圧を変えるだけで、バリの大きさや材質に応じて削り具合を調整可能です。母材を削り過ぎず、1台で様々なバリの確実な除去が行えます。
■ 断続加工に対応した専用スピンドルモータ搭載
ラジアル方向からの加工負荷が断続的に加わる過酷な環境でも使用可能な専用モータを搭載。長時間の高負荷にも耐えられる設計により耐久性が高く長寿命です。
■ 傾動フローティング専用刃物で高品質なバリ取りを実現
傾動フローティング機構の効果を最大限に発揮するため、複数の専用刃物を用意。バリやワークの形状に応じた最適な刃物の選定・提案が可能です。
スギノマシンの静岡県掛川事業所にはバリ取り技術の研究開発を専門に行う「デバラボ」というバリ取りの研究所があります。ウォータージェットやフローティング加工など高度なバリ取り技術・商品の研究開発やテストを行う、世界で唯一の施設です。
長年にわたり培った技術力と経験を活かし、バリ取りに関するトータルソリューションを提供しています。タイをはじめとする海外のお客様の課題に対する技術相談などにも対応しています。