テクノプラスト(タイランド)は、タイでプラスチックの高精度切削加工を行っている。 長いパンデミックとの終わりが見えてきた今、日本本社(株式会社テクノプラスト)の中村社長とタイ法人の生南MDの渡泰が実現し、コロナ禍における取り組みや今後の展望などについてお話を伺った。
プラスチックと聞くと、成型加工かつ大量加工のイメージを持つ人が多いかもしれない。しかし、同社は最小1品からオーダー可能。高精度樹脂加工品を短納期で提供しており、タイでこのような強みを持つ樹脂加工メーカーはかなり希少である。
2012年、当時社長に就任したばかりの中村氏は、海外進出のきっかけを探る中でタイを訪れ、『初恋の人に会ったようなドキドキ感』を感じたという。
「タイは日系企業が多く進出しており、これから地産地消になっていく流れを感じました。今後付加価値が求められるようになり、1品から精度の高い切削加工を行う当社の技術へのニーズがあるかもしれないと思ったのです」(中村社長)
思ったら即行動の中村社長。その後、すぐにタイでローカル販売企業を立ち上げ、数年の間は自ら現場に出て営業活動に勤しんだという。
2014年には、レンタル工場を見つけてテクノプラスト(タイランド)を日本本社の完全子会社として設立。タイ現地で加工を行う体制を構築した。
以降も事業は順調に大きくなり、2020年には機械スペースの不足から、自社工場に移転・拡大している。
中村社長は、「人の成長が会社の成長」と考える。
そのため、人が成長できる環境や仕組みを作ることを、経営者として最大の使命としている。
「会社として、『陽』の空気を大事にしています。明るいところにしか人は集まりません。どんな状況でも前向きに、やれることをやる。人でも企業でも、一緒に何かやってみようというところとは、協力し合って新しいものを作り上げていきたいと思っています」(中村社長)
前向きに新たな挑戦を続ける同社は、コロナ禍だからこそできることはないかと考え、本社プロジェクトとして、非接触コロナ対策オリジナル製品『のんたっち君』を開発・発売した。
「従来当社が作る製品は工業用部品がほとんどですが、『のんたっち君』は日常の目に見えるところで使われる製品なので、社員の士気も高まると考えたのです」(中村社長)
のんたっち君をきっかけに、日本ではメディアへの露出も積極的に行い、企業知名度の向上も図った。
『のんたっち君』の開発を手掛けたのは、現タイ法人MDの生南氏である。
長年のタイでの設備会社勤務の経験を持ち、中村社長も生南MDに大きく期待を寄せている。
「異なる業種から来ているので、やり方が異なることがありますが、提案するとまずはトライさせてくれるので中村社長に感謝しています」(生南MD)
「高精度が求められるようになったタイにおいても、まだプラスチックの精密切削加工は珍しく、チャンスがあります。コロナの収束が見えてきて、新たな工場・新たな体制でこれから挑戦していくことが楽しみ」(中村社長)
テクノプラストはタイを製造拠点にして、5年以内に東南アジアで現地法人を持つことも視野にいれているという。そして2024年にはタイ法人設立10周年を迎える。前進し続ける同社の発展から目が離せない。
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