高機能樹脂(スーパーエンプラ)の代表格PEEK樹脂の特性とは?
28/10/2024
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村田 涼Sales Manager

テクノプラスト(タイランド)では、耐熱性や耐薬品性など総合的に優れたPEEK樹脂をはじめとしたスーパーエンプラを取り扱っております。
今回は、高機能樹脂として様々な用途に活用される「PEEK樹脂」の特性についてご紹介していきます。

▲「PEEK樹脂」の切削加工例:プローブボルダー/ロボットアーム・フィンガー

スーパーエンジニアリングプラスチック「PEEK樹脂」の特性

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂は、耐熱性・機械的特性・耐薬品性など、総合的に優れた熱可塑性樹脂です。ポリエチレンなどの一般的な樹脂と比較して高価であるものの、その総合的な性能が価値を高め、さまざまな産業部品等で活用されています。

【PEEK樹脂の主な特長】
■優れた耐熱性
連続使用温度250度というスーパーエンプラの中でも高い耐熱性を持ち、高温環境下での安定した物性を求められる製造現場に最適。
■高い機械的特性
引張強度や耐衝撃性、耐摩耗性など高温環境下でも優れた機械的特性がある
■優れた耐薬品性
酸・アルカリ・有機溶剤などの各種薬品溶剤に対する耐性が高く、安定した性能を発揮する。
■高い難燃性
他の樹脂素材よりも比較的難燃性が高く、燃焼時の発煙や腐食性・有毒ガスの発生、真空時の有毒ガスの発生がない。
■低い給水率
吸水率が0.04%と極めて低いため、湿気や水に対する抵抗力が非常に高い。(MCナイロン:0.8%)
■加工後の高い寸法安定性
加工後も寸法安定性が高く、経年劣化や環境変化による変形が少ない。
■認められた食品安全性
日本の食品衛生法の規格を満たしており、食品接触用途に対する使用の安全性が認められている。

その他、機械部品として優れた摺動性や耐摩耗性を持ち、軽量でありながらも高い強度を備えることから自動車や航空機などの軽量化にも貢献しています。さらに、高い電気絶縁性を持つため、電子部品の絶縁材料としても幅広く利用されています。

樹脂切削加工では、加工後のワークの反りが課題となることが多くあります。弊社テクノプラストでは、長年培ってきた加工技術やノウハウを駆使して、PEEK樹脂でも反りが出にくい高精度切削加工を実現しています。

【テクノプラスト タイ・日本での実績例】
・半導体部品
・食品加工機械部品
・ギア、ベアリング、ポンプ
・軽量化部品
・電子部品 など

▲「PEEK樹脂」の切削加工例:ロボットアーム・フィンガー

グレードの異なるPEEK樹脂を3種取り扱い

PEEK樹脂の中でもガラス繊維やカーボン繊維で強化されたグレードを3種ご用意しております。

■摺動グレード:PEEK HPV(FC)
摺動性や耐摩耗性を向上させるために、カーボン繊維、黒鉛、および四フッ化エチレンをそれぞれ10%程度添加。自動車や工業分野などで一般的に用いられ、歯車や軸受けなどに適する。

■ガラス繊維強化グレード:PEEK GF
ガラス繊維を添加し、製品の機械的強度とモジュラスを向上させ、熱変形温度も高くなっている。

■カーボン繊維強化・導電グレード:PEEK CA
炭素繊維を添加して導電性を向上させており、静電気やほこりを嫌う微小な電子部品などに適する。

樹脂材料の販売から切削加工までお客様の要望に柔軟にお応え致します。まずはお気軽にご相談ください。



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