タイエスコープ溶接事業部は、タイ国内向け溶接材料・溶接ロボットの販売およびエンジニアリングサービスを提供している。タイエスコープは神戸製鋼グループの神鋼商事株式会社のタイ現地法人として1988年に設立された。
本稿では、同社溶材部門GMの林氏に、事業内容や強みについて紹介してもらった。
日系同業他社の中でも初期のタイ進出を果たしているタイエスコープ。現在展開している主な事業とは、以下の通りである。
■ 溶接材料(主に神戸製鋼)の販売
■ 溶接ロボット(主に神戸製鋼)の販売 ・溶接機(主にOTCダイヘン)の販売
■ 溶接ロボット・溶接機のメンテナンス
■ 検査・IoT・自動化関連の設備設計、機器の販売
神鋼商事の溶接部門は、タイ・中国・インドネシア・マレーシアに海外拠点を持っているが、タイ法人は比較的初期での海外進出を果たしている拠点である。タイで独自に30年以上培ってきた経験やノウハウが最大の武器だ。四輪・二輪関連部品や建設機械、エアコンなどの幅広い業種の顧客を抱え、溶接材料からエンジニアリングサービスまで現地で提供できる体制を整えてきた。
特に、現地エンジニアによるメンテナンスは、タイ独自のサービスである。
<タイエスコープ溶接部門の強み>
✔タイ国内に3つの拠点(バンコク・アマタナコン・ボーウィン)があり、各エリアのお客様へ迅速なサービスを提供可能
✔ 各拠点倉庫に豊富な在庫(溶接材料とロボットの消耗部品など)をご用意
✔ 即納体制が整っている
✔ タイ現地でエンジニアリングサービス(ティーチング・修理・メンテナンス)を提供
✔ 知識と経験豊富なスタッフが在籍(営業:14名/日本人4名、エンジニア:12名)
※2023年2月現在
✔ 主要取り扱いメーカー(神戸製鋼・OTCダイヘンなど) との強固な連携
これまで展開してきたサービスに加えて、昨年から新たな取り組みもはじめているという。
「昨年から今年にかけて2つの新たなサービスを開始しています。1つ目が、2022年末より開始した中古溶接ロボット・ハンドリングロボットの買取と販売です。古くなった溶接ロボットを当社が下取りしてエンジニアが修繕し、中古機械として販売します。ロボットの買い替え、低コストでの新規機械導入を検討しているお客様へメリットのあるサービスです。
2つめに、2023年1月からユニバーサルロボットのタイ国内向け販売代理店として、ユニバーサルロボットの取り扱いを始めました。溶接設備としての活用はもちろんのこと、自動化・省力化を目的としたユニバーサルロボットを組み込んだ各種設備のご提案が可能です」(林GM)
タイで長年培ってきた溶接分野における独自のノウハウと各メーカーとの信頼関係は同社の強みである。それらに加えて、新たな2つのロボット領域における取り組みは、多様な需要に応えるためのソリューションとして期待を集めている