エンドミルは、タイの生産現場の必須ツールのひとつだ。
東京マシン・アンド・ツール(タイランド)は、世界トップシェアのユニオンツール製のエンドミルやプリント基板用工具を販売している。
2019年8月から同社のGMを務める小島 貴行 氏と親交があるのは、今回のニュースで紹介する東台精機集団(トンタイ/Tongtai Group)・トンタイ マシナリー タイランドの陳 彦銘氏。
台湾に本社のある東台精機は、その歴史の中で日本と、ある日本人に深い繋がりがあるという。
「私は東台精機の本社がある台湾の高雄市で生まれ育ちましたが、日本で2年間の語学学校を経て東京都内に有る大学に入学し、商学部を卒業しました。大学生活では、東西線の南行徳駅の周辺にある山一証券単身寮に下宿させてもらいました。家賃は当時のお金で5,000円でした。日本企業からの世話を頂きまして日本にはとても親しみがありますし、東台精機も日本人と深い関わり合いがあります。」と流暢な日本語で語る陳MD。
タイでは「アレックスMD」と呼ばれている陳氏が、東台精機の成り立ちを教えてくれた。
「東台精機は、1969年に当時台湾で盛んだったオートバイ製造の技術指導のために赴任していた日本人技術者・吉井良三と台湾人の仲間が出資してできた工作機械メーカーなんです。吉井さんは1966年に台南にある新三東オーオバイメーカーに出向して3年間、オートバイのケースの生産ラインが安定して稼働するまで尽力しました。吉井さんが帰国することになって、台湾の友達が送別会を開いた時に、金持ちの友達が出資して会社を作るから経営してくださいと。それが東台精機の始まりです。(陳氏)」
「アレックスMDと弊社は、10年近くお付き合いをさせていただいています。東台精機のマシニングセンターにユニオンツールのエンドミルを組み合わせて、テスト加工や加工条件のサポートなど、機械と工具両方からお客様のサポートさせていただいています。」と小島GM。
東京マシン・アンド・ツール(タイランド)は、ユニオンツールの代理店として40年以上の取引実績を持つ。
世界でもトップのシェアを誇るプリント基板用工具や超硬エンドミル「ユニマックスシリーズ」、「銅電極加工専用のエンドミル(DLCLB)」などの切削工具は、マシニングセンタの性能に加えて、ワークの出来に大きく影響する、なくてはならないものだ。
両氏は、コロナ禍による製造業の落ち込みはタイも例外ではなく、各社工場が新しいマシニングセンタの導入など、設備投資に力を入れるのはまだ先の話と考えている。
早期のタイ経済の回復を待ちつつ、二人はお客様への貢献拡大の準備を着実に進めている。