フォークリフトやカウンターによる作業中に「危ない」と感じたことはないだろうか。
作業者がどんなに気をつけて運転し、ルールを徹底したとしても起こりうるのが事故(ヒヤリハット)ならば、事故防止のために開発された製品を使って機械的に対策することが有用だ。
そこで、本記事ではRFID技術を使って危険を知らせる安全装置『ヒヤリハンター』を紹介する。
ヒヤリハンターは、RFタグを持った作業員がフォークリフトに接近したことを運転者に警報で知らせる安全装置だ。曲がり角や荷物により見通しのきかない場所でも、全方位(360°)の作業者を検知することができる。
小さな危険性の芽を摘み、事故につながるのを防止することが目的だ。
磁界
車体の周囲に磁界を発生させる。
作業員が磁界の中に入ると、
音と光で知らせる。
RFタグ
作業員がRFタグを持つ。
ヘルメットに装着/ポケットに収納
できる小型サイズ。
開発・製造元:株式会社マトリックス(日本)
RFID製品のメーカー。2015年「ヒヤリハンター」を販売開始。
物流業界から建設業界まで広く普及し、2021年に導入台数5000台を超えた。
POINT 死角も検知できる!
ヒヤリハンターは、車両の周囲(360°)に磁界を発生させて作業者を検知する。
カメラやセンサでは検知できない死角にいる作業者を検知できる
こんなシーンで効果を発揮します!
✔ 見通しのきかない曲がり角やドア付近
✔ お互いに動いているときの出会い頭
✔ 荷物などで視界が遮られているとき
✔ 旋回・方向転換するとき
✔ フォークリフト同士の検知
タイでのヒヤリハンター導入のきっかけとなったのは、顧客であるSANYO KASEI (THAILAND) LTD. 三橋氏の要望だった。
「フォークリフトの安全対策として、車体にドライブレコーダーを搭載する方法があります。監視・録画することでドライバーに安全運転をよりいっそう心がけてもらうのが狙いです。
しかし、ドライブレコーダーの本質的な役割はあくまで“起こった事象を記録すること”。運転者が十分に気を付けていても起こってしまうのが事故なので、そうなる前に機械的に防ぐ方法はないか?を相談し、導入に至りました」<SANYO KASEI (THAILAND) LTD. 三橋氏>
「島さんに“こんなのできませんか?”と相談すると、すぐに具体的な提案をしてくれるので、次々とアイデアが形になります」と話す三橋氏。
直近では、「極小異物チェックの自動化システム」の新たな導入を検討している。画像処理技術を使って、樹脂内に混入した小さな異物を検出するシステムだ。
はじめは大手メーカーに依頼して約1年かけて検証したが、現場の抱える問題が解決するソリューションにが至らなかった。ところが、マーストーケンに相談したところ、約1週間で完成度の高いデモ機が持ち込まれ、まもなく実用化するのだという。
現状の維持だけでは満足せず、もっと改良できないか、常に最善策を考える三橋氏の姿勢が、マーストーケンのレスポンス力と技術力の高さを最大限に引き出し、革新を起こす原動力となっている。
取材協力:SANYO KASEI (THAILAND) LTD.
Office
Tel: +66(0)2034-4253~6
島 Shima
Email: shiman@mars-tohken.co.jp
ジホン Jihong
Mobile: +66(0)63905-9072
Email: jungj@mars-tohken.co.jp