2012年に創業した弊社トーマス・エンジニアリング・タイランドは、FA関連機器販売や開発・設計を中心に成長し、2021年7月に太陽工業株式会社のタイ法人THAI TAIYO TENT CO., LTD.から工業用テント事業を継承しました。
本稿では、テント事業を継承してから3年経った現状と、タイでの今後のテント事業の見通しや新規事業などについてご紹介致します。
太陽工業が日本で製造販売してきた「固定式テント倉庫」は、雨風や紫外線など過酷な屋外環境からお客様の大切な製品等を守ることができ、一時的な物流拠点として活用するのに優れた構造物です。
一方で、タイ市場においては中長期的なトータルコストパフォーマンスより導入時のコストに焦点が置かれることが多く、耐久性に劣る価格重視の安価なテントがシェアを占めており、高品質テントは品質・安全性を求める一部の既存顧客を除いては、認知度は不十分なままでした。
弊社ではテント事業を継承してから、テントメーカーとして自立するために何をすべきか常に考えながら手探りで試行錯誤を繰り返してきました。
太陽工業は世界シェア70%を占める膜構造建造物のリーディングカンパニーで、日本ではトップメーカーです。一般的なテントの保証は2年程度なのに対し、弊社では8年保証を実現しています。品質に絶対的な自信があるからこそできる保証です。
EV(電気自動車)やゼロエミッション、省エネなど環境配慮型の取り組みが重要なビジネス要件となっている昨今、物流やサプライチェーンにも変化が求められていると感じています。特に国際的な物流が交錯するタイのサプライチェーンにおいて、その影響は顕著です。
こうした変革期においては「テンポラリー」がキーワードとなると考えています。そして、この変化はテントメーカーにとって大きなチャンスなのです。なぜなら、短納期で製造可能という強みを持つテント倉庫は急激な需要の変動に迅速に対応できるからです。
現在TOMAS FLEX TENTを利用している企業はトップクオリティを求める上位の20%程度ですが、今後は30%を占める中間市場へもTOMAS FLEX TENTを浸透させることでの事業拡大を計画しています。
その一つとして、今年から特注品のみの取り扱いから価格を抑えた「標準規格テント」の販売を開始し、新たな層の取り込みを目指しています。
また、快適性を重視した駐車場や歩道に設置するデザイン性のあるテント屋根も普及させていきたいと考えており、倉庫以外のテント製品の新たな価値提供を模索しています。
タイでNo.1のテントメーカーを目指し、今年2月に新事務所に移転し、次のステージに備えて製品開発・販売体制を強化しました。
新生トーマステントとして今後も市場のニーズを見極め、来るチャンスに備え、機動力を持って柔軟に対応していく方針です。
【情報提供:THAIBIZ6月号】
Vol.2:日本発「インスタントハウス」でタイ市場に新たな価値提供を提供
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