グランピングから避難所まで幅広い活用用途
2024年6月より販売を開始した新規製品「インスタントハウス」についてご紹介します。
新製品「インスタントハウス」でタイのグランピングブームを後押し
テント事業を強化するトーマス社は新たな事業の柱として、日本発の「インスタントハウス」のタイでの製造・販売を開始しました。
インスタントハウスは、ファンタジーの世界から飛び出してきたようなコロンとした可愛らしい見た目とは裏腹に、厳しい自然環境に耐えられるよう日本の高度な設計技術が凝縮されています。その最大の特長は「どこでもすぐに設置でき、素材そのものが断熱材を利用しているためいつでも快適に過ごせる」点です。日本ではすでにグランピング施設等に100棟以上が導入されています。
▲ 日本での設置例(写真提供:株式会社LIFULL ArchiTech)
タイでは近年、アウトドア市場が拡大しています。中でも手ぶらで豪華なキャンプを気軽に楽しめて、写真映えすることから人気を集めている『グランピング』※は、コロナ禍を経てタイでも注目のリゾート形態です。
※英語の「グラマラス(Glamorous)」と「キャンピング(Camping)」を掛け合わせた造語で、グランピング施設ではキャンプ用品や食材、食事も用意されているのが一般的。
▲ 日本での設置例(写真提供:株式会社LIFULL ArchiTech)
インスタントハウスの品質にはもちろん自信があります。あとは、いかに市場に迅速に拡散できるかが肝となると考えています。タイでグランピングブームを一気に作るべく、今後タイ国内にインスタントハウスのモデルハウスの設置を計画しています。
インスタントハウスは日本の厳しい自然環境に合わせた高度な設計となっていることから、タイではややオーバースペックな可能性もあるのではという声も耳にします。まずはタイの市場に合っているかどうかを評価した上で、将来的には市場に合わせてインスタントハウスのコンセプトやブランディングを損なわない範囲で柔軟に改良していくことも想定しています。
被災地や難民キャンプなどの避難所の環境改善にも貢献
インスタントハウスは、もともと2011年に起きた東日本大震災の被災地を訪れた建築家で名古屋工業大学大学院工学研究科の北川啓介教授が、寒い避難所で集団生活を送る人々が少しでも早く快適な生活を送れるように仮設住宅の代替として考案し、株式会社LIFULLと産学連携で生まれたテント製品です。
被災地での緊急避難シェルターとしての用途もあり、最近では昨年のトルコ・シリア大地震や、今年1月の能登半島地震の被災地にインスタントハウスを寄付しています。
タイでもミャンマーとの国境付近の難民キャンプや、タイ各地で起こっている災害の被災地で集団生活を余儀なくされている人々の環境改善のために、日タイの政府機関や地方自治体などと協力してインスタントハウスを提供する事も検討しています。
【情報提供:THAIBIZ6月号】
Vol.1:テント事業継承から3年〜新生トーマステントでタイ市場の拡大を目指す