タイの日系製造業向けにITシステムを提供しているトーマステックは、顧客の現場課題にあわせたカスタムオーダーでのシステム構築を得意としている。
今回は、同社が看板製品としてタイ国内での実績を増やしている在庫管理システム「PEGASUS」を活用してシステムのカスタマイズを行ったUEDA PLASTIC (THAILAND) CO., LTD.(以下、UPT)の事例をご紹介する。
UPTは、タイで熱可塑性プラスチックの射出成形や、樹脂製品への加飾などプラスチック部品の加工や製造を手掛けている。自動車・二輪車向けのパーツから文具に至るまで、取り扱う製品は多岐にわたる。Managing Director の飯島氏は、トレーサビリティの管理や、更なる生産性の向上を叶えるべく、最適な在庫管理システムと稼働状況管理システムを求めていた。
<導入前の課題>
・手書きの日報データを、手入力する作業から脱却したい
・リアルタイムで生産情報を管理したい
・手書き、手入力によるヒューマンエラーを防ぎたい
複数のシステム会社を比較した結果、PEGASUSを基幹システムとして、様々な要望を織りまぜながらカスタマイズする方法を選んだ。
製造業で気をつけたいのは、経営者や経理部門にとっては便利でも現場スタッフにとって運用負担が大きいシステムではないか?という点だ。
■作業現場×システムのミスマッチに注意
・システムのもつ機能が実際の業務にそぐわない
・多機能だが、実際には使わない機能が多い
・操作が難しく、習熟に時間がかかる
・システムを導入したことで、かえって作業が煩雑になった
飯島氏がトーマステックを選んだ理由は、こうした悩みを払拭する柔軟性にあるという。
「当社に必要な機能だけに絞り、不要な機能は削除したいと考えていました。トーマステックは、私たちの業務に合わせて柔軟に機能を追加、変更してくれるところが導入の決め手です。というのも、かねてからシステムを使うために現場の作業を変更するのでは、順番が逆ではないか?と感じていました。
トーマステックは当社の製造工程に合わせて設計してくれるので、現場スタッフにとって操作しやすく“運用負担が小さいシステム”といえます。開発の過程では、必ず現場スタッフの意見を聞いて、彼らが使いやすいものを目指しました」(UPT 飯島氏)
現在同社では、稼働管理システムのオプションとして、スマートウォッチを導入し、現場管理者が遠隔でも加工機の稼働状況把握が行えるソリューションのテスト運用を行っている。
今後は、全機に実装する計画もあり、更なる業務効率化に意欲を高めている。
「PEGASUSは、柔軟性が非常に高いプラットフォームです。カスタム開発は、パッケージソフトを販売するよりも労力を要しますが、その努力を惜しまずお客様ごとに異なる課題を解決することが私たちの使命です。今回は、これまで飯島様が現場を監督してきたノウハウに触れることができ、とても学びになりました。それをシステム化することができて光栄です」
(トーマステック 野崎氏)
「既存のパッケージソフト運用で課題を抱えている」
「最適なシステムの選び方がわからない」
「業務をもっと効率化したい」
このような製造現場の課題解決にとことん向き合えるシステム会社こそ、信頼がおけるシステムパートナーとして相応しいのではないだろうか。