自動車や電気電子製品などの生産工程で、人間に代わり製造ラインに立つようになった産業用ロボット。その開発の歴史は古く、今から半世紀以上も前になる。だが、実用化までの道は険しく、試行錯誤を重ねてようやく世に汎用品として登場するようになったのは、つい20~30年ほど前のこと。その研究開発の先端にあった一社が自動車部品メーカーの「デンソー」だった。1991年には産業用ロボット外販を開始。2000年代にはタイをはじめとした東南アジア市場にも進出した。一方で、代理店としてタイでの販売を担ってきたのが日本でも取引のあった機械工具商社の「ウエノ」だった。今回の記事では、タイのロボット黎明期を振り返りつつ、現在の市場のニーズについて、ウエノ(タイランド)の吹上徹次Managerとデンソー・セールス(タイランド)の谷勇人Managerが語った。
吹上氏:当社がデンソー社製産業用ロボットの取り扱いを開始した2000年代前半、タイ市場はまだ労働集約型の産業形態が主流で、「ロボット?何それ?何しに来たの?」という現状でした。いくらでも安価な労働者がいる。どうして高価な機械を買わなければならないの、というのが市場の大方の反応でした。そこで、まずは認知度を上げることが必要だと判断。展示会などに積極的に出展し、ロボットがもたらす効用などを繰り返し情報発信することに努めました。
谷氏:当時はまだ、力のあるシステムインテグレーターがタイに少なかったという事情もありました。ロボットは、それだけでは単なるマニュピレーターです。それを生産システム全体の中でどのように組み込んで動作させるか。指揮者のような存在がシステムインテグレーターです。システムインテグレーターが徐々にタイ市場に増えるようになり、潮目も大きく変わってきました。
吹上氏:はっきりと、タイにもロボット化の時代が到来したと強く感じられるようになったのは、この3年位のことです。メーカー各社の関心が格段に高くなった。自動化も待ったなしの状態になった。ニーズに応じて、さまざまな産業用ロボットが供給できるようになったという背景も大きく影響しました。
谷氏:当社では大きく分けて、小型垂直多関節6軸ロボット、水平多関節の小型スカラロボット、人とともに作業を行う協働ロボットの3種を市場投入しています。タイをはじめとしたアセアン地域でも、日本のような自動化需要が見られるようになりました。それは安全設計で、使いたい時に使いたい場所で、直感的に操作ができ、拡張性が高くて、そういうロボットが求められるようになりました。
吹上氏:産業用ロボットの裾野が広がってきたというのが実感ですね。同時に、タイ政府が進めるタイランド4.0など産業の高度化政策に対応に向け、付加価値の高い製品やサービスが求められるようになったことも大きい。それにはロボットによる生産体制が欠かせない。この10年の間でタイの製造業は見違えるように大きく変化を遂げました。
谷氏:自動化、高付加価値生産化の流れはこれからも続くことでしょう。ロボットメーカーとしては、今後もこうした時代のニーズに合った製品を開発していかなければなりません。
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日本、タイ、世界の製造業が注目の産業用ロボット、FAについて
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<製品情報DENSO>
https://www.smri.asia/jp/ueno/products/37/
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