産業用刻印機の専門メーカーであり、世界市場を相手に特殊工具の輸入・販売を行っている「山田マシンツール株式会社」(東京)。そのタイ法人「YAMADA Machine Tool (Thailand) Co.,Ltd.」が誕生して今年でちょうど10年。「ようやく土台ができた」と日本本社の山田雅英社長は振り返る。タイに赴任し、現場を仕切るのは末弟の晴久氏。それを長兄の雅英氏と次兄で専務の庸二氏の2人が支えてきた。
6月下旬の某日、久しぶりに3兄弟が再会したバンコクで対談してもらった。
雅英氏:タイ進出を決断したのは2008年末のこと。日本はリーマンショックの影響で低迷の時期にありました。どうして今ごろという声があったのも事実です。しかし、今だからこそ外に出ようと考えました。グローバル化は世界の大きな流れとなっており、日本という「ローカル面」のみの顧客支援でなく、日本と海外、「両面」から顧客を支援しようと思い、自動車産業など製造業が集まるタイを選びました。
晴久氏:タイ赴任は自ら志願しました。タイは活力があふれる元気なマーケットです。工場で稼働しているのは日本からのお下がりの古い機械が多い反面、創意工夫や新しい工具の採用には積極的で、勢いを感じています。
日本から駐在員として赴任している生産技術者の皆さんの中にも、熱い思いを持った方が多いと感じました。「こんな工具はないか」「あんなことはできないか」と問い合わせが徐々に多くなり、自然と取り扱う商材も増えていきました。
(取扱い製品の例)
雅英氏:海外赴任を終え本帰国した元駐在員からよくこんな話を聞きます。「本社では規則や制限ばかりで自由がない。タイに戻りたい」と。技術水準ではまだまだ日本に及ばないタイなのに、どうしてそんなことを思うのか?20年に渡って続くデフレが日本企業の設備投資意欲を減退させてしまっている。これが原因だと私は考えています。
卓越した生産技術者の育成には設備投資は欠かせません。挑戦していく姿勢が人を育てるのです。ところが、今の日本はどうでしょう。「この工具で生産性がアップします」と呼びかけても、「値段が高いから」と見向きもしない。台湾や中国では飛ぶように売れているものにさえ及び腰です。
庸二氏:例えば、タイで使っているあの工具を日本で使うだけなのに、分厚い稟議書の束。新しいことをしたくてもできない。コンプライアンスとかガバナンスとかいう言葉が一人歩きして、一向に前に進まない。製造業立国のニッポンはどこにいったのかと実に悩ましい思いをしています。
雅英氏:だから、私は、今なおタイに残る「モノづくり」にかける熱い志を、日本にフィードバックさせることはできないか、そんなことを日々考えています。少しずつですが、具体的な動きも始まっています。そのための役割をわずかでも当社が果たすことができたのなら、こんな嬉しいことはありません。
今回の対談で、モノづくりにかける3兄弟の純粋な志が伝わってきた。
タイで刻印機や各種工具でお困りの際は、山田マシンツールであれば真摯な対応で応えてくれるだろう。
■山田マシンツール(タイランド)の主な取り扱い製品
刻印機(マーキングシステム)
ツーリング工具、バリ取り工具、特殊工具など各種工具
工場の環境改善機器 ほか
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