山田マシンツール(タイランド)(以下、YMTT)は、2012年より住友重機械ファインテックのマグネットセパレーター『FINEMAG(ファインマグ)』のタイ総代理店として販売・アフターサービスを手掛けている。今回は、YMTTの内谷GMとSumitomo Heavy Industries (Thailand) Ltd.(以下SHIT)の長谷川GMに、同製品の特長やローラーコンベアと併用した際のメリットなどについて取材した。前後編でご紹介していく。
金属の研削加工時に発生する細かいスラッジをクーラント液中からいかに効率よく回収するか。これは多くの金属加工工場が頭を抱えている問題である。この問題に正面から取り組み、顧客の悩みに応えているのが住友重機械ファインテックが開発したマグネットセパレーター『ファインマグ』だ。
マグネットセパレーターは、マグネットドラムでスラッジを回収する装置である。現在、日本の研削加工市場における同製品のシェアは40%に達している。支持される要因について、SHITの長谷川氏は以下のように語る。
「マグネットドラム表面に傷が入ると性能は徐々に低下しますが、ファインマグはドラム表面に傷が入りにくい構造なので、初期の性能を長時間維持できます。磁場解析を用いたマグネット配列、流体解析を用いたクーラント液流路の最適化、標準搭載の強制駆動方式の脱水機能での水分除去により、乾いたスラッジだけを90%以上回収できる点も好評です」
ファインマグは、スラッジがパサパサの状態で回収できるため、スラッジ回収箱が水浸しになることがない。作業現場を乾いた清潔な状態に保つ機能は同製品の大きな強みだ。
20年前に開発されたファインマグは、マイナーチェンジを繰り返し、進化を続けてきている。 最近では、セパレーター本体の駆動部分に多くのスラッジを含んだダーティー液が入り込まない構造を実現。従来製品の倍以上にあたる9000ガウスの磁力を用いた超高磁力なUKシリーズも投入している。これまで回収が難しかった超硬ワーク材質も、9000ガウスもの磁力によって回収が可能になった。
タイでの発売当初は知名度や価格の問題で拡販はスムーズではなかったものの、タイでも高い製品品質が求められることが多くなり、歩留まりに対する意識の高まりが追い風になっているという。
「クーラント液中に残ったスラッジが未回収のままでは製品に傷をつけ、不良品になってしまうため、タイの市場でも高性能なマグネットセパレーターの需要が高まっています。また、保全の観点からも導入メリットは多いです。ファインマグは、脱水した状態でスラッジを回収できるため、清掃の手間が大幅に削減できます。さらに、同製品は従来品のように紙のろ過フィルターを使用しないため、メンテナンス性の向上を実現しています」(SHIT長谷川氏)
タイの総代理店を担うYMTTでは、製品販売にとどまらず、きめ細かなメンテナンスサービスも提供している。
「タイで標準部品の在庫を持ち、部品交換が必要であれば即座に交換し調整する迅速な対応力もお客様からご評価いただいております。当社エンジニアによる定期的な訪問による機械健診も実施しています。デモ機によるトライアルも随時受付けているため、お気軽にご相談ください」(YMTT内谷氏)
今後は、欧米の企業やタイローカル企業へのPRも強化していく計画だ。
►Vol.2:切削加工向けマグネットセパレーター×チップコンベア活用メリット
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