山田マシンツール(タイランド)(以下、YMTT)がタイ総代理店として販売・アフターサービスを手掛けている住友重機械ファインテックのマグネットセパレーター『FINEMAG(ファインマグ)』。今回は 前編に続いて、切削加工向けに同製品とチップコンベア(マグネットローラーコンベア)を併用した際のメリットについてご紹介する。
マグネットセパレーターと聞くと、一般的には研削加工向け用途のイメージを持つ方が多いかもしれないが、実は切削加工現場にも有効であるという。
タイでも高品質な部品加工を求められることがスタンダードになってきていることを背景に、昨今では、切削加工向けのマグネットセパレーター活用需要に期待が持たれている。 切削加工における切粉処理として、チップコンベアだけでなくマグネットセパレーターを併用すると切粉回収能力が格段にあがり、クーラント液の清浄度向上にも効果があるという。
写真の装置のように、形状の大きい切粉を1次処理としてローラーコンベアで回収し、その後コンベアで回収しきれない100ミクロン以下の切削スラッジを2次処理のマグネットセパレーターで回収する。
<マグネットセパレーター×チップコンベア 併用メリット>
✔ 切粉回収作業の簡易化
マグネットローラーコンベアは、ヒンジ式と比較して切粉回収能力が高い上、網かごを使って手作業でスラッジを回収しているようなタンクにも簡単に取り付けることができる。切粉回収能力の向上によって、機械故障の低減にもつながる。
✔ ろ過精度の向上
ファインマグKSモデルは磁石配列を新たに設計したことで切削スラッジの回収が可能になり、クーラント液の高精度を実現。フィルターや刃物の目詰まり削減、ポンプの故障低減につながる。
✔ 工場環境の改善
切粉が刺さりにくくなった特殊絞りのPローラーを搭載することで、水絞り機能が向上し、回収されたスラッジの処理がより容易に。これにより、クーラント廃液量の低減や切粉回収費用の削減などの総合的な工場環境の改善に効果あり。
タイのモノづくり現場においても人手不足は深刻な課題だ。特にクーラント清掃などのいわゆる“3K” (きつい・汚い・危険)と称される作業は、タイでも自動化需要が高まっている。
「切削加工の品質向上」×「人手不足を解消するための自動化」を同時に叶えるソリューションとして、ファインマグとマグネットローラーコンベアの併用をタイでも促進したい考えだ。 タイでの安定的な製品・サービス供給の背景に、2社の強固なパートナー体制があるという。