工場において1番重要といっても過言ではない「エア」。日々のコンプレッサメンテナンスを疎かにしていると、機械停止による思わぬ大損害を被る危険性があります。そのようなトラブル回避のために、今回は三井精機(タイランド)の協力を得て、現場で簡単にできるコンプレッサエアのメンテナンスについてご紹介します。
① コンプレッサのフィルター汚れ
② コンプレッサのオイルゲージ
③ 配管からのエア漏れ
④ フィルターエレメント交換
1、コンプレッサのフィルター汚れ
フィルターが油や埃で汚れていると運転効率が落ちて電気代も上がり、圧縮不足やオイル上がりなどのトラブルを誘発します。いつトラブルが発生してもおかしくないような状態でコンプレッサを使用している現場が、タイでは多く見受けられます。
▲埃や汚れで目詰まりしたフィルター
推奨される清掃頻度は使用環境により異なりますが、24時間稼働しているような工場は毎日のチェック、定期的なフィルター清掃をお勧めします。
▲エアガンを使えば簡単に掃除が可能。油汚れがひどければ水洗いも推奨
2、コンプレッサーのオイルゲージ
単純作業でありながら見落としがちなオイルゲージチェック。オイル不足は故障に直結します。
始動前点検をルール化にすることでオイル量の確認を習慣化させましょう。また、稼動数値も記録しておくことで、小さな変化や異常にも気付きやすくなり、大きな故障を未然に防ぐことが可能です。
▲コンプレッサ停止状態でラインを下回るとオイル不足の危険な状態
3、配管からのエア漏れ
エア漏れを放置しておくことは無駄な電気代=ランニングコストを垂れ流している状態です。
エア漏れ箇所発見次第、すぐに補修しましょう。
▲エア漏れが疑われる配管に洗剤水を吹きかけると、エア漏れ箇所が泡立つため発見しやすい
エア漏れの補修には、簡単に耐久性高く対策が施せるシリコーン製LLFA®テープがお薦めです。
▲濡れたまま使用可能なLLFA®テープ
✓ 生産ラインを止めずに補修ができる
✓ 難しい技術、知識は不要
✓ 耐熱、耐冷使用で、エア・水・蒸気漏れにも対応
✓ 耐久20年以上。保存期限がなく、緊急対策品として最適
4、フィルターエレメント交換
エアを清浄に保つために取り付けるフィルターですが、定期的なエレメント交換を忘れていませんか?実際、問題が起きてからエレメント交換忘れに気づく現場も多くあります。エレメントは6ヵ月~10ヵ月(1,000時間)での交換が推奨されます。交換作業は誰でも簡単に行なえますので、まずは直近でフィルター交換した時期を確認してみましょう。
▲約1年間使用したフィルターの使用前後
▲エアの清浄度比較。左が新品のフィルターを計測した結果、右が約1年間使用したフィルターの計測結果
その他、圧力計の数値が10%以上下がったり、フィルターのプッシュピンから油漏れが発生したりすると交換が必要な目安になります。
小さな作業の積み重ねですが、タイではまだまだこれらのチェックができていない生産現場が多くあります。
効率的な製造のために。不測の事態を予防するために。コンプレッサの使い方、改めて見直してみませんか?