YKTタイランドは、2023年の秋からスイスの工具メーカー、カリー社(CARY)の画期的なピンゲージの取り扱いをはじめました。超硬バネ式球状ピンゲージの「SPHERIDUR(スフェリデュア)」シリーズです。
カリー社のあるスイス・ジュラ山脈の麓には、時計産業用の精密加工機器を手掛ける会社が多数存在しています。カリー社もゲージ専業メーカーとして約100年にわたって時計用の検査・測定機器を作り続けきました。そして開発したのが「スフェリデュア」です。
ピンゲージの作業を大きく変える画期的な「スフェリデュア」の特長は大きく2つ挙げられます。
広いゲージ挿入角度と内部のばね構造
・120度の挿入角度で短時間に測定できる
・バネの機構により測定のばらつきを抑えられる
通常のピンゲージは、穴に対して垂直にゲージを挿入する必要があります。しかしこの作業は穴径が小さくなるほど容易ではなくなってきます。無理やり押し込もうとすればピンは摩耗し、表面に傷をつけてしまいます。無理やり穴に入れようとすると抜けなくなる事態もありえます。
しかし、「スフェリデュア」であれば穴に対して垂直に入れる必要はありません。超微粒の超硬材質製のゲージは真球度0.1μm以下の球形状で、左右60度の広いゲージ挿入範囲を確保しています。 つまり、挿入角度が120度あるため、穴に素早くゲージを挿入し、0.5μmを確実に測定することができるのです。
超硬材質製なので、摩耗しづらいのもメリットの一つです。また、熱変位の影響を受けにくい樹脂製ハンドルによる作業しやすいシャンク型です。
穴径の測定は作業者によって差が出やすく、そのばらつきをいかに抑えるかはどの工場でも頭の痛い問題ではないでしょうか。
「スフェリデュア」はわずか0.04~0.2Nの荷重でばね式ピンが動作するように設計されているため、ゲージが内面に触れた瞬間にばね式ピンがハンドル内に収納されはじめます。いつも同じテンションを保っているバネが、作業者に依存することのない客観的な測定を実現しました。
▲ ばらつきを予防するばね式ピンの伸縮
「スフェリデュア」は、「標準タイプシャフト型ゲージL」や「深穴用ロングシャフト型LM」など複数本を箱にセットした形で販売しています。
工具のコスト削減に貢献できる画期的なピンゲージ
デザインもスタイリッシュ。何より、短時間で高精度に内面形状をばらつきなく把握できる機能は、他のピンゲージとは一線を画しています。価格は一般的なピンゲージと比較すると決して安いとはいえませんが、測定精度が高く、作業者に依存しない測定が可能で破損しづらいメリットを踏まえると中長期的にはコスト削減に大きく貢献できます。
カリー社は、校正機関の品質・能力を証明する国際規格 ISO/IEC 17025に適合しています。スイス国立計量研究所METASに認定された計量機器により、マスタゲージ類の校正に対応します。
弊社では、この「スフェリデュア」を日本と東南アジアで販売しています。東南アジアではタイを拠点に販売を拡大していく計画です。
「スフェリデュア」は、言葉で表現するよりも、実際に触ってみてその卓越した機能やメリットを深く実感できる製品です。実際に試してみたい、その機能を体感したいという方は弊社にお声がけください。すぐにデモ用の製品をご用意いたします。