「DOBOT」は、高性能・安全・簡単操作・導入しやすい価格のロボットを次々と世に送り出し、高い業界シェアを誇る中国のロボットメーカーだ。同社は、2025年1月、バンコクにタイ拠点を正式にオープンした。本拠点の設立は、東南アジアにおけるグローバル展開と地域密着型の取り組みを強化する重要な一歩となることが期待される。
本稿では、DOBOTの協働ロボットを使った生産現場における活用事例とDOBOTタイランドのショールームについて紹介していく。
DOBOT CR5の高汎用可搬ロボットアーム
ロボットと連携させたカメラによって対象物(ワークピース)の位置を検出し、指定の位置まで搬送する。ロボットは上部に設置された検出カメラによって、対象物が動いていても正確にピッキングできるため、ベルトコンベアを止めることなく自動で作業が行える。
適用現場(例):食品産業、自動車部品
POINT
-±0.02mmの繰り返し精度
‐ 安全柵がなしで人間と協働作業ができる安全性
- 簡単設置、セットアップ
‐ DOBOT開発の高精度センサーと検出カメラ搭載
-最大可搬重量:5kg アームリーチ:900mm
DOBOT CR20A搭載のパレタイジング
20kg可搬ロボットと昇降ユニットを組み合わせた自動パレタイジング。
人手によるパレタイズ作業には、作業の遅延・スペースの確保・作業者の負傷リスク等の課題が多い。それらを解決するのがロボットによる自動化だ。
現場の作業者数を削減することで、人的コスト削減にも繋がる。
適用現場(例):商品倉庫、生産ライン
POINT
‐ 作業時間の短縮、作業効率向上を実現
‐ 省スペースで設置可能
‐ 負傷リスク・重労働・コスト等、人手による作業の問題を解決(自動ブレーキ機能搭載)
‐ DOBOT開発の高精度センサーと検出カメラ搭載
‐ IP54の高保護耐性
- 最大可重20kg(グリッパー重量も含む)/動作範囲1,700mm
DOBOT CR5AとVX500スマートカメラ
CRAシリーズは、純正カメラとしてVX500スマートカメラ(2.5D空間補正技術を備えた高解像度カメラ)を用意している。(カメラはオプション)
ロボットが空間補正精度±0.26mmを誇るスマートカメラを搭載することで、職人技を必要とする作業も自動化が可能となる。
事例では、ロボットアームの先端を研磨ヘッドに付け替え、曲面研磨の自動化を実現した。人手による研磨作業は熟練した技術を必要とし、作業者の力加減によって仕上がりに差が出る。自動化すれば、圧力もスピードも一定に保ち、加工ムラの無い仕上げが可能だ。
適用現場(例):自動車業界、家具業界、金属加工業界など
傾斜のあるピッキングにも最適
VX500スマートカメラは、2Dカメラで捉えるのが難しい角度がついた場所でも正確にピッキングが可能。自動車工場の組み立て等、流れ作業をよりスムーズにする。
DOBOT CR3A と衝突前検出技術「SafeSkin」
DOBOTのTrue Motionアルゴリズムにより、高速かつ正確な位置決めが可能。接着剤や塗料の塗布作業を自動化すれば、作業時間を短縮するとともに手作業によるミスや無駄をなくすこともできる。
さらに、DOBOT独自の衝突前検出技術「SafeSkin」を使用することで、人や物が接触する前にロボットが自動で停止する安全対策も可能だ。(オプション機能)
適用現場(例):電子部品業界、家電業界、自動車業界
DOBOT MG400と振動分離装置
卓上型協働ロボットMG400と振動分離装置を組み合わせ、部品の選別とピッキングを自動化。
振動分離装置の多次元振動により、部品を分離させて画像認識ができる状態を作る。
適用現場(例):電子部品業界、小型自動車部品業界、化粧品業界等
POINT
‐ A4サイズに収まる設置スペース
- 小型部品に対応できる繰り返し精度(±0.05mm)
‐ シンプル操作で、初心者でも簡単にティーチングが可能
DOBOTはドイツ・アメリカ・日本(2か所)・タイに海外拠点がある。タイは東南アジアで唯一の拠点で、ショールームにはユーザーが実際の使用感を確かめられるデモ機を完備。また、本社(中国)と共通のロボット使用に関する研修プログラムを受講することもできる。
ここでは、サービスオフィスとして各種パーツを用意しており修理などの迅速なサービスを行うほか、本社まで郵送することなくロボットの校正も可能だ。