第5回は「TPM」です。TPMで最低限の在庫・仕掛で操業を行うためには、安定した(止まらない)生産ラインが不可欠です。これを実現するのがTPMです。
TPMとは「全員参加の生産保全」のことです。従来の「私は作る人、あなたは直す人」では、設備への依存が増大する環境で、設備の状態を維持することはできません。そこで、生産担当者も一緒になって保全に参加するのです。
「今日は調子が良い/悪い」「何かおかしい」など設備の状態は、使う人が最も敏感に感じ取れることです。TPMではこれを積極的に生かし、日常的な清掃や簡単な給油・点検を生産部門で行ないます。皆さんの会社でも既に同様の活動はやられていると思いますが、自主保全では、まず設備を徹底的に清掃し、不具合があれば「復元」して元の状態に戻します。
劣化した不具合だらけの設備では、給油・点検をしても効果がありません。自主保全の特徴である復元の徹底により、長年の劣化による故障を大幅に削減できます。この後、「いかにして復元した状態を維持するか?」の活動に移ります。「自分の設備は自分で守る」を実践することができるのです。
自主保全と対をなすのが、保全部門が行なう「計画保全」です。これは少し長い目で、劣化する部品をどのように補修(交換)していくかを系統的に考えるものです。
他にもいくつか活動の柱があり、TPMの8本柱と呼ばれます。これについては、別の機会にご説明します。
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