コンサルタントが教えるタイビジネスのコツ vol.24
11/05/2021
㈱日本能率協会 コンサルティング 寺田 厚
“リーン生産方式とTPS(8)”
ロット生産、混流生産(Lot Production, Mixed Production)
第8回目は「モノの流し方」です。「なぜカンバンが有効か?」を考えるうえでの基礎となります。
◾️モノの流し方
モノの流し方は、生産方式 (Production method) とも呼ばれ、同じモノを何個かまとめて流すことをロット生産、一個一個違うモノを流すことを混流生産と言います。一般に、家電の組立はロット生産、自動車の組立は混流生産となっています。同じものを連続して流した方が生産効率は良さそうですね。
では、何故自動車の組立はロット生産をしないのでしょうか?
自動車組立は、非常に長いラインを必要とします。このライン上に複数のロットを載せると、簡単に作れる車種と時間がかかる車種とで発生する組立工数差を吸収することは非常に困難になります。家電の場合はラインが比較的短いため、複数のラインを設置することで、この問題をある程度回避できます。自動車組立で車種ごとのラインを設置するのは費用の面から現実的ではありません。
逆に家電組立では、混流生産を行なうために必要な、「様々な部品を適切なタイミングでラインに供給するための準備」にかかる手間を吸収できるほどのメリットが期待できないため、ロット生産となっています。
◾️混流生産と部品供給・部品生産
組立工程では混流生産をすることができますが、部品生産を混流で行なうことは現実的ではありません。部品生産には型−準備に時間がかかるため、ロット生産になります。部品の生産ロットサイズと組立工程への供給ロットサイズは大きく異なります。簡単な部品であれば生産サイクルタイムは短くなり、生産ロットサイズが大きくなる傾向にあります。カンバンを使うことで、異なるロットサイズの生産により発生する、生産管理上の問題を吸収することができます。次号では、いよいよそのカンバンについてご説明致します。
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