今回は、カンバンがどのように機能するか、動き方の基本を説明します。
カンバンには大きく分けて2つの種類があります。生産指示カンバンと引き取りカンバンです。生産指示カンバンは、工程を起点としてストアまでの間を循環します。引き取りカンバンは、ストア(またはサプライヤー)を起点として工程までの間を循環します。
ストアとは加工が完了した色々な部材が生産指示カンバンを付けた状態で置かれている場所です。サプライヤーの立場では、顧客への納入準備ができたものが置かれている場所、ということになります。
このストアに引き取りカンバンが送られてくると次のことが起こります。
① 箱に付いている生産指示カンバンを外し、引き取りカンバンに付け替えて、ストアから要求された場所へ送り出します。サプライヤーでは出荷ということになります。
② 引き取りカンバンと共に移動した箱は、引き取りカンバンを送ってきた工程に置かれて、使われるのを待ちます。
③ この箱の部材が使われる際に、引き取りカンバンが外されストアに送り返されて、次の納入指示となります。
④ 出荷の時に外された生産指示カンバンは部材の加工工程に戻されて、次の生産指示として働きます。
⑤ 加工工程では、生産指示カンバンが現れると、予め決められた数量の生産が開始されます。
⑥ 決められた数量の生産が終了すると、完成した部材は箱に入れられ、生産指示カンバンが付き、ストアに置かれます。
この①~⑥のサイクルの繰り返しで、カンバンが回っていきます。
カンバンを使うと、仕掛を狙った範囲にコントロールできますが、フィードバック方式のため遅れが出ます。その分を見越してカンバンを発行します。従って遅れを最小にするためには、各段階での小ロット生産と多頻度輸送の実現が、仕掛低減のカギとなります。
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