北川鉄工所(以下、キタガワ)のチャックやバイス、円テーブルなどは、様々な日系機械メーカーの工作機械と組み合わせて世界中で活用いただいております。中でも、ヤマザキマザック(MAZAK)は、日本・東南アジア各拠点ともにキタガワのテーブル・チャックともに標準採用いただいているため、導入実績が多く、タイでもとりわけ密接に連携いただいているメーカーです。
今回は、マザックの工作機械とキタガワの製品を組み合わせた5軸・複合加工ソリューションについて、マザックタイのアプリケーションエンジニア角谷氏と共にご紹介します。
マザックは、他メーカーと比べて特に複合加工分野において強みと独自性を発揮しています。日本にある5拠点の他に、アメリカ・イギリス・シンガポール・中国・インドに生産工場を擁しており、エリアの市場ニーズに合わせた製品を各拠点で生産。キタガワも、それら工作機械にあわせて各エリア需要に適した組み合わせの製品を提供しています。
タイではシンガポール生産の機械が導入されることが多く、そちらにはキタガワのチャックが標準搭載されています。
マザックが5軸や複合加工の現場から支持される最大の理由として、『MAZATROL(マザトロール)』の存在が挙げられます。マザトロールは、対話式によるプログラミングを可能にしたマザック独自のCNC装置で、NC画面内で質問に答えることによって対話式で簡単にプログラミングを行うことができます。特に、5軸加工のプログラミングは専門知識や経験を要するため、難易度が高いとされていますが、マザトロールを活用することで5軸加工の導入ハードルが一気に下がります。
独自開発のAIが、過去に作成したプログラムなどの蓄積データを駆使して、加工プロセスや加工条件を自動で推測し、加工条件の最適化を行います。
本ソリューションで組み合わせているVARIAXIS(ヴァリアクシス)シリーズは、マシニングセンタにおける工程集約加工と複合加工を実現し、ワンチャッキングでの多面加工や同時5軸制御による3次元曲面加工も可能です。
キタガワの5軸センタリングバイス V75Vシリーズは、5軸マシニングセンタでの荒加工に適したコンパクトで軽量なバイスです。軽量なので載せ替えもしやすく、アルミなどの軽切削加工に向いています。マザックの得意としている5軸・複合加工機械のユーザーは、多品種少量生産の現場が多いため、段取り替えがしやすいバイスを選定しています。また、比較的低価格で導入しやすい点もタイの市場に向けておすすめです。
複合加工機の代名詞とも言われるマザックのINTEGREX(インテグレックス)シリーズに、キタガワのオートジョーチェンジシステム(AJC)を組み合わせたソリューションです。ロボットにアタッチメントをつけてジョーを自動交換します。
標準チャックに対応したジョーの自動交換システムは業界的にもまだまだ少なく、画期的なシステムです。標準チャックであるBRシリーズをそのまま使用できるため、イニシャルコストを大幅に下げることができます。
Tナットプラス機構を採用し、ジョーを脱着しても把握精度0.01mmT.I.R.以下の高精度を復元。ジョー交換における時間と手間を削減し、高精度化を図れるため、段取り替えの多い多品種少量生産の現場におすすめです。
また、お客様の工場環境や加工条件、予算などにあわせてフル自動化(ロボット搭載)・半自動化を選択できます。まずは半自動で活用し、段階的にフルオートにしていくことも可能です。
「日本人のエンジニアが駐在していて、技術的な相談をタイムラグなくできる点は他メーカーにはないキタガワの強みだと思います。経験と理論・根拠に基づくエンジニアからのアドバイスは大変貴重で、実際の図面をみながら現地で相談できるので、お客様に対しても自信をもって提案ができています。
日本人のみならず、タイスタッフ同士も密で円滑なコミュニケーションがとれているのでタイ国内で完結して販売からサポートまで安定的に行えています」(マザックタイランド 角谷氏)
マザック立形マシニングセンタVCNシリーズとのソリューションや製品の仕様詳細は、下記カタログをご参照ください。
▶ MAZAK×kitagawaソリューション
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