11月21~24日にバンコクで開催されたMETALEX2018。
今回、サムライ編集部は、宇野マシナリー(タイランド)のブースを取材しました。同社の冨重MD、そして、同社が取り扱う世界最細の工業用内視鏡「HNL-0.95CAM」を開発したSPIエンジニアリング社・原山社長に開発秘話や今後の展望などを伺いました。
Q.製品の特長を教えてください。
原山:照明付きで、先端にカメラが付いている内視鏡としては、世界で最も細い製品です。同じような細さの内視鏡は、カメラを付帯しないファイバースコープしかありません。同じ0.95㎜径の場合、ファイバースコープだと1万画素程度ですが、我々の製品は4万画素。細くてかつ画質が良いのが特長です。
Q.開発までの道のりは?
原山:約3年前、1.8㎜径を開発した当時は、「もうお客様に文句を言われないだろう」と思っていましたが(笑)、それでも「もっと細いものを」という声がありました(汗)。それを励みにして、「今度は1㎜をきるものを作ろう」と、約1年前、2017年の秋頃から新たな挑戦が始まりました。
開発工程ですが、まず、アメリカの高画質で小さなCMOSイメージセンサーー(デジタルカメラなどに搭載される画像記録用の部品)を採用しました。センサーが決まると今度はパイプ探し。探したのは25μ(0.025㎜)の肉厚のパイプです。これを見つけるのが非常に難しかった。日本国内の多くのパイプメーカーに問合せましたが、「そんなものはできない」と言われ続けました。探し回る中、長野県のある会社で、ニッケルの材質で、特殊な技術を使って作ることができるとわかりました。早速、パイプの試作を作ってもらい、今年の春には最初の内視鏡の試作品が完成しました。そして、その後も照明を中心に改良を重ねて、10月の発売に至りました。
Q.お客様の反応は?
冨重:おかげ様で、タイでは既に引き合いがあり、この展示会後にデモをすることになっています。
原山:デモ機を1週間単位でお客様に貸し出しているのですが、今現在、1ヵ月先まで予約でいっぱいです。
Q.今後も更に細い小型内視鏡を開発されますか?
原山:今度は更に細く、例えば0.5㎜の穴に入れたい、という声が出てきます。0.5㎜をきる内視鏡なんて、まだ考えつかないです(大汗)。 でも、振り返れば、1.8㎜径が完成した3年前は、「もうこれが限界だろう」と思っていた。そう考えると、数年後には0.5㎜をきる製品が出せるかもしれません。世の中に広くアンテナを張って、情報を得ることが一番大事だと思っています。
内視鏡をどんどん細くしていくことで、医療分野への参入が見えてきます。我々が注目しているのは血管です。血管の内視鏡は、現在、ファイバーでできた内視鏡しかない。ゆくゆくは我々のカメラ搭載の内視鏡がそれに置き換われればいいなと思います。医療用のチューブに関しても徐々に調査を始めています。
Q.宇野マシナリーとして、SPI社の製品の強みは何だと思いますか?
冨重:SPI社の製品は「中を見る」ことに特化しているためシンプルで使い易く、その分値段も安くなっています。お客様にお勧めしやすい製品です。
サムライ:ありがとうございました。SPI社の更に細い内視鏡、そして新たな分野への挑戦に期待しています!
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